ストレージアカウントの冗長性について

構築するにあたり、どのプランを採用するか迷うところがあると思います。

データの保護を重視するのか、コストを重視するのか。

特徴をざっくりとまとめてみましたので一助になれば幸いです。

■速度を重視

Premiumを選択すると、非常に高速で書き込みの待ち時間は少なくなります。

Standardを選択すると、汎用性が高く、連携できるサービスも多いですが低速で待ち時間は長くなります。

■コストを重視

Premiumを選択すると、コストは高くなります。

Standardを選択すると、コストは低くなります。

■保存方式によるコストの削減

ホット層に保存すると、アクセスコストは低いですが、維持コストは高くなります。

クール層に保存すると、アクセスコストは高いですが、維持コストは低くなります。

アーカイブ層に保存すると、アクセスコストは最も高いですが、維持コストは最も低くなります。

アーカイブ層からファイルを取り出す時は、一度ホットかクールに戻してからファイルを取り出すことができます。一ファイルを戻すのに、概ね、数時間程度かかります。

■データ保護を重視

レプリケーションオプションは以下の選択があります。

  • LRS  ローカル冗長ストレージ
    • 単一リージョンのデータセンター内で3回コピーを行いデータを保護しています。しかし、データセンター単位で障害が発生した場合はデータを回復できなくなるかもしれません。
  • ZRS  ゾーン冗長ストレージ
    • 単一リージョンですが、3つの可用性ゾーンに分かれてデータをコピーするため、データセンター、ゾーン障害が起きても影響を受けません。
  • GRS  Geo 冗長ストレージ
    • プライマリリージョンのデータをセカンダリリージョンにコピーします。LRSと同じようにコピーをした後、リアルタイムではありませんが、時間を置いてセカンダリリージョンにコピーされます。セカンダリリージョン内でもLRSと同じようにコピーを行います。
  • GZRS geo ゾーン冗長ストレージ
    • ZRSの機能でコピーを行った後、時間を置いてセカンダリリージョンにコピーを行います。セカンダリリージョンではLRSが実施されます。

データ保護を重視するなら、GZRSですが連携する機能が対応しているか確認する必要もあります。

■機能から選ぶ

Log Analytics ワークスペースからのログ格納先として使う。

Standard一択となります。Premiumは対応していません。

■コストから選ぶ

アーカイブとして長期保管をする場合は、LRS、GRSの二択となります。

ゾーン冗長は、アーカイブ保存に対応していません。

ゾーン冗長化したストレージで、アーカイブ保存しようとしてもできなかった時のスクリーンショットです。